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KDDIのプロジェクト紹介

世界最大級!毎秒2ペタビットの光ファイバー伝送 世界最大級!毎秒2ペタビットの光ファイバー伝送

大容量データの送受信が日常的なものとなっている中、
2025年以降には光ファイバーのデータ許容量が限界に達すると
いわれていました。そこでKDDIは1本の光ファイバーで
毎秒2ペタビット(Pbps)の超大容量伝送実験を開始し、成功。
これはブルーレイディスクおよそ1万枚分を1秒で送信できる
技術です。今後の通信環境を支える技術を開発する
本プロジェクト成功の鍵となったのは...?

  • 落合 孝之

    若山 雄太
    KDDI研究所
    光トランスポート
    ネットワークグループ

  • 安藤 瑞紀

    相馬 大樹
    KDDI研究所
    光トランスポート
    ネットワークグループ

  • 浅野 順一

    釣谷 剛宏
    KDDI研究所
    光トランスポート
    ネットワークグループ

新たな光ファイバー伝送技術を必ず創りあげなければという使命がこのプロジェクトにはあります。 新たな光ファイバー伝送技術を必ず創りあげなければという使命がこのプロジェクトにはあります。

将来欠かせない技術として
スタートした「ペタビット」
プロジェクトですが、
開発にかかった期間は
どれくらいでしたか?

釣谷/ 日々データ通信量は上がり、現在の光ファイバーでは物理的に限界が見えてきていました。KDDIがお客さまに提供するデータやサービスを支えるためにも、新たな光ファイバー伝送技術を必ず創りあげなければという使命がこのプロジェクトにはあります。また、光ファイバー以外にも付随する周辺部品、例えばデータを光ファイバーへ流すための入出力デバイスなども開発しなければなりません。品質のよいデバイスを作って頂くため、開発段階から携わって頂けるメーカーさまを海外を含め探し始めました。それが2年前です。
若山さんは開発担当として、そのようなフランスのベンチャー企業さまとの交渉などを担当して頂きましたね。

若山/ 我々はシステムの構築は行いますが、モノを作るメーカーではありませんので、技術的には分からないことだらけでした。またメーカーさまとしても初の試みだったため、どの程度要求に応えて頂けるか、ひざを突き合わせて話し合いました。当時はアイデアを試す方法すらなく、一から...むしろゼロからのスタートで、本当に手さぐりでした。

特に印象的だったことはなんでしょうか?

相馬/ 私はこれだけ大きな規模の実験の主担当になったのは今回が初めてでした。自ら実験設備を構築していくところから始めましたが、新たな光ファイバーの扱い方についても最初はどう扱ったらいいか全く分りませんでした。ですから、準備段階から一つひとつ課題をクリアしていった点が本プロジェクトの成功の要因の一つだと思います。

若山/ 容量って、要はどれだけチャネル(データが通る経路)の数を増やせるかなんです。今回の実験では、2ペタを達成するためには4万チャネル必要でした。失敗する場合も想定して1チャネルあたり最低でも4回はテストする必要があり、合計16万回の品質測定を約1ヵ月で行いました。みんなで交代しながら、早朝から夜までずっと測りましたね。

釣谷/ 当時プロジェクトの研究発表までに1ヵ月ほどしかなく、それまでに成功させるためのタイムマネジメントも非常に鍵となりました。また、KDDI研究所では、それぞれテーマを持って研究をしているのですが、今回はプロジェクトメンバーが一丸となり、全員の叡智を結集して達成したと思っています。

プロジェクトを乗り越えて、
身についたことや新たな発見は
ありましたか?

若山/ 私はこのような長期間のプロジェクトが初めてで、プロジェクト全体の進行管理の難しさを痛感しましたね。その点で釣谷さんに非常に助けられました。今回を振り返ると、私は技術面を注視するだけでなく、進捗管理までできれば釣谷さんの負担を下げられたと思います。
また、自分が開発した成果物を扱う実験担当の方への配慮や、協力会社さまとの密なコミュニケーションの必要性など、多くの関係者の方々との関わり方を、本プロジェクトを通じて勉強出来たと思います。

相馬/ 長期間のプロジェクトでしたが、何事も途中で止めずにやりきるのは以前から心がけていたことです。コツコツ進めていくのは、性格に合っていましたね。最初のうちは先が見えなくて「本当に間に合うのか」という不安の中でやっていましたし、難しい実験ではありましたけれども、乗り越えるのは苦ではありませんでした。

釣谷/ 二人とも粘り強く、真摯に取り組んでいたと思います。大規模な実験は、それまでの準備が大変なんですよね。ですが目処が立てば、あとはなんとかできると思った。
また二人は学生時代、通信とは違う分野が専門だったので、私の知らないことも沢山知っています。そうした新たな知見も入れたことが今回のプロジェクト成功につながった一つの要因だと思います。

準備段階から一つひとつ課題をクリアしていった点が本プロジェクトの成功の要因の一つだと思います。 準備段階から一つひとつ課題をクリアしていった点が本プロジェクトの成功の要因の一つだと思います。

仕事にあたり、心がけていることはなんでしょうか?

釣谷/ 私の大切にしている仕事へのフィロソフィーとして、「自ら燃える」という姿勢があります。まず自分がやらないと皆もやらないだろうと。その熱意も皆に伝わらないと意味がないので、きちんと共有できるよう気をつけています。いま我々のグループは10人いますが、この人数だけで大規模なものづくりはできません。社内外の方みんなと協力してもらうことが欠かせないと思います。

若山/ 私は仕事に対して没頭しやすく、すぐにのめり込んでしまうタイプなんです。本プロジェクトでもそうでしたが、忍耐力や、チャレンジ精神といった仕事への姿勢が役に立ったと思います。その反面、周りが見えなくなることがあるので、目線を上げてプロジェクト全体の進捗と自分のやるべきことを照らし合わせるように心がけています。釣谷さんはマネージャーとして絶妙な距離感で、勉強になることが非常に多かったです。

相馬/ 私が心がけていることとしては、一歩一歩たゆまぬ努力を続けることですね。大きなプロジェクトを成功させるためには、ただ数字を見て測定するだけでは駄目です。もし他に問題が見つかればどんなに些細な事柄でも一つひとつ解決することが今回重要だと学びました。こうした姿勢は、これからも続けていきたいと思っています。

釣谷/ 実は、2ペタって世界一じゃなかったんですよ。残念ながら。だから次こそ世界一を目指そうと、今準備を進めているところです。

次こそ世界一を目指そうと、今準備を進めているところです。 次こそ世界一を目指そうと、今準備を進めているところです。

先が見えない状態からスタートし、様々なハードル続きだった「ペタビット」プロジェクト。前例のないことでも繰り返し挑戦し、粘り強く諦めない精神が、世界最高レベルの技術を生み出しました。こうして得られた自信と熱意を胸に、未来の通信を支える技術のさらなる向上に向け、新たな挑戦が再び始まります。

※掲載されている情報は、撮影当時のものとなります。

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